「健康家族にしか作れないにんにく卵黄を作りたい。」
常に最善のものづくりを目指し、このテーマを実現するために、全社員が動き始めた。
先陣を切って走り出したのは、情熱にんにく畑部のメンバーだ。
情熱にんにく畑部の野中は、早速、農場へ赴く。健康家族は、九州・宮崎県ににんにくを栽培する農場を所有している。その農場面積は東京ドームの約11個分にものぼる。その広い畑で無農薬栽培を行い、有機JAS認定を取得したにんにくで商品をつくることを目指して努力を続けてきた。自社農場立ち上げのときから、生産管理に携わってきた野中は語る。
「にんにくの栽培は、秋に植え付けを行って初夏に収穫をし、乾燥する期間まで含めるとおよそ300日もかかります。一般的な野菜と比較すると、圧倒的に手間と時間がかかるのです。それを無農薬で大規模に行うことは、専門家からも不可能といわれていました。」それでも野中はより高品質なにんにくを作るため、本社から農場までの往復3時間の道のりを足しげく通い、農場管理をされている方々と綿密な打ち合わせを行った。道のりは険しかったが、2004年から段階的に有機JAS認定を取得し続け、2010年、ついに、作付している全農場の認定を取得。そして2011年5月から、全量をオリジナルブランド有機にんにく〈にんにく王〉として出荷できるようになった。
「認定には厳しい条件があり、収穫後も細かい工程の管理が必要でした。でも、お客さまにより安心・安全にこだわった<伝統にんにく卵黄>をお届けするために、この認定は不可欠。残留農薬の心配のないにんにくを生産し認証を取得できたときは本当に嬉しかった。」 そう語る野中の目は、輝いていた。
<伝統にんにく卵黄>は、製造方法にもこだわった。有機栽培の生のにんにくと、有精卵黄(※)というこだわりの素材を生かし切るために、80度前後の低温でじっくり練り上げる。製品製造管理部 品質管理総合研究所の永井は言う。
「<伝統にんにく卵黄>は、お客さまに、においを気にせず手軽につづけていただけるよう、ソフトカプセルにしています。そのカプセルにもこだわり、トウモロコシと海藻を使った、植物性ソフトカプセルを採用しています。」
「でも、それだけでは不十分。公的な第三者からの評価も必要だと考え、公益財団法人 日本健康・栄養食品協会に工場の審査を依頼しました。消費者の皆様に安心して利用していただけるように合格したものだけが認定を受けることができるGMPマークを取得しました。健康家族は「工場」と「製品」の両項目でGMP認証を取得しています。」
永井はさらに続ける。
「お客さまに、当社のにんにくのパワーと安全性について、科学的側面からも知っていただこうと、『総合研究所』を設立しました。そこで、生産から製品になるまで各段階での有用成分の確認やデータ分析、また微生物の検査等の安全性を確認。さらに、大学や食品試験の専門機関などと連携しながら、有効性に関する検証も進めています。にんにく専門メーカーとしてできるかぎりのことにチャレンジし、よりよい商品をお客さまの手元にお届けできるよう努めています。」
品質を維持・向上するためのプレッシャーは大きいが、永井はそこにやりがいを感じているという。
(※) 鶏卵表示に関する公正競争規約及び施行規則に基づき、雌100羽に対して雄6羽の割合で飼育しています
どんなに優れた商品、魅力的な商品があったとしても、お客さまがその商品の存在を知らなければお届けすることはできない。そこで重要となってくるのが、広告宣伝だ。戦略営業推進部 ウェブ推進課は、新たなお客さまを獲得するための広告展開戦略だけでなく、すでにご購入くださったお客さまにもっと健康家族のファンになっていただくための戦略を考え、実践していく部署だ。テレビ、新聞、雑誌、ホームページ、ダイレクトメールなど、それぞれ異なる強みをもつメディアを組み合わせ、最適な広告宣伝活動を展開していく。戦略営業推進部 ウェブ推進課の竹之内は言う。
「通販は頭脳勝負です。<伝統にんにく卵黄>は発売31年目を迎え、販売累計も1億5000万袋(※)を突破。お客さまを飽きさせない広告で、その魅力を伝え続けてこれた結果です。」
竹之内が主に担当しているのは、インターネット広告やお客さまが買い物をしやすいオンラインショップづくり、メールマガジンの配信などだ。
「メールマガジンは、商品をご購入くださったお客さまにお送りするツール。新商品やキャンペーン情報など、毎月さまざまなメールを配信しています。商品の魅力や特徴をわかりやすく伝えることはもちろんのこと、用途や用法など、お客さま視点を大切にした内容となるよう心がけています。」
そんな竹之内がもっともやりがいを感じるのは、自分が作成したメールマガジンを見たお客さまからの反応だという。
「工夫して作成したメールマガジンをご覧くださったお客さまからご注文をいただいたり、“いつも楽しく読んでいます”や“健康を気づかってくれてありがとう”といった返信をいただいたりすると、大変嬉しく、やりがいを感じます。お客さまに“感動”を与え続けられるよう、どんどんアイデアを出していきたいと思います。」
(※) 平成5年9月〜令和4年8月・自社調べ
もう一方で、お客さまに安心してお買い物を楽しんでいただくための個人情報保護やセキュリティ対策などの情報管理にも注力している。戦略営業推進部 システム課の横尾は言う。
「システム課は、顧客システム・データベースの運用・管理・開発を担当する部署です。お客さまの情報を一括管理し、受注から商品発送、入金管理、アフターフォローまで、各課の業務が円滑に効率よく進められるよう、システム面からバックアップしています。」
その責任と使命について、横尾はこう語る。
「お客さまの情報は、通信販売会社である当社にとってなによりも大切なもの。お客さまに安心してご注文いただけるようにするために、どうすべきか?と検討し、使い勝手のよいシステムに改良するとともに、通信販売業界で初めてとなるプライバシーマークの取得も行いました。」
プライバシーマークは、日本工業規格「JIS Q 15001」に適合し、個人情報について適切な保護体制を整備している事業者のみ認定を受けることができる制度だ。こうした徹底した情報管理があるからこそ、お客さまは安心して買い物を楽しむことができる。横尾は続ける。
「私がめざすのは、『日本一』のシステム構築です。現在、<伝統にんにく卵黄>は、健康食品のにんにくカテゴリーで22年連続売上日本一の商品(※)です。もっともっと使いやすいシステムを構築し、売上アップやお客さまサービスを支えていきたいと思います。」
横尾たちシステム課のメンバーは、今日も、“情報データベース”という、お客さまと健康家族を結ぶ大切なパイプラインをしっかり見守っている。
(※) 富士経済「H・Bフーズマーケティング便覧」ニンニク成分配合機能志向食品カテゴリ企業シェア(2002〜2023年実績)
お客さまが健康家族の商品を購入する方法は大きく4つある。電話、FAX、はがき、インターネットの4つのルートだ。その中でも健康家族でメインとなる窓口は、電話だ。
「電話口の印象は、そのまま企業イメージにつながります。だからこそ、電話による受注業務を担当する私たちお客さまポライトナーは、会社の顔として、お客さまに丁寧に接し、お客さまの心が安らぐ応対を心がけています。」
そう応えるのは、ロイヤルカスタマ課の鮫島だ。お客さまからの注文・問合せや相談に答える「お客さまポライトナー」としての業務を担当しながら、後輩社員やパートスタッフの指導・管理を担当している。
「社内で目標設定して、勉強会や研修を実施して電話対応スキルアップを図っています。そのレベルアップの一環として、財団法人日本電信電話ユーザ協会主催『企業別電話応対コンテスト』に出場。優秀賞を頂くなど、そのレベルも年々上がってきています。
「さまざまな注文のツールはありますが、一度、お電話を下さった方は、次もやはり電話。ひとりひとりのお客さまに合わせた、心の通った応対で、“またかけたい”“また話したい”と思っていただけるよう努めています。」
ネット通販が拡大する今日でも、健康家族のコールセンターは大切な役割を担う。
こうして、お客さまの受注情報は発送業務へと引き継がれていく。
素材の生産、商品開発、製造、広告宣伝、受注・データ入力など多くの社員・スタッフの手を経て、ついに最終ランナーとしての発送業務にバトンが渡される。その業務を担うのは、商品発送課。お客さまからいただいた注文に沿い、商品を梱包し、お客さまのもとへ届ける発送作業を行う。商品発送課の柳井は言う。
「商品発送課は、五感をフルに働かせて仕事をするところ。ただ商品や添付資料を送るのではなく、開けた瞬間の箱の中の整然とした美しさにこだわります。また、商品パッケージ検査で小さな傷を見逃さない、味覚検査でわずかな味の変化に気付く、など繊細な感覚を持って作業を行っています。」
「物流部門を外部へ委託する企業も多いですが、健康家族ではあえて社内に設けています。全社員のお客さまを想う気持ちが、少しでも多く伝わるように、物流部では日々、工夫を重ねています。」
柳井は、商品を受け取ったお客さまからの感謝のメッセージがなによりの喜びだと感じているようだ。
「商品が会社から出て行く最終関門として、責任ある業務を担う私たちの使命は、“正確で丁寧な仕事をしていくこと”だと感じます。“物流のプロ”として、広い視野と知識を持って、全国のより多くのお客さまに健康家族の商品と一緒に真心をお届けできるような発送を行っていきたいと思います。」